劉邦が関中(都のあるあたり)を平定したと聞いて、怒ったのは項羽です。
並みいる強敵を倒してたどり着いたのに函谷関で閉め出され、まるで蚊帳の外。
項羽が怒るのも無理はありません。しかし范増はもっと重要な事に気付いていました。
それは、劉邦が城中の宝や女に手をつけていないこと。これは劉邦が人心を掌握し、天下人となる野心を持っていることの表れではありませんか。

蕭: わーっ、バレてる!こちら側の魂胆が、范増どのにバレバレです!!
張: まあ普通バレますよね。味方の曹無傷(そうむしょう)に裏切られ、「劉邦は関中で王になろうとしている」
   なんて告げ口までされましたから。この時我が軍10万に対して項羽軍40万。勝ち目はありません。
   誰ですか函谷関しめたのは?

項羽を怒らせては一たまりもない劉邦は、わずか100騎ほどの味方を連れ、項羽の陣を訪れました。項羽に謝罪するために。
さあ、世に名高い「鴻門の会」が始まります。

張: 見てくださいこの情けなさ。沛公は一人称「臣」ですよ。
蕭: 高校の教科書には、たいていこの場面から載っていますね。同行した張良どのも命懸けですね。
張: 項羽としては、ここで我々の首を刎ねれば天下取れるわけですから。いつ殺されてもおかしくないです。

腰を低くして頭を下げる劉邦に、項羽はつい言いくるめられてしまいます。
とりあえず仲直りの酒宴を開くことにしました。

蕭: 項羽はよく沛公を許しましたね。
張: この時の沛公を見て、危険はないと感じたのでしょう。
   彼の持つ絶対の自信ゆえに、「劉邦ごとき、生かしておいても何ほどのこともできまい」という
   油断が心のどこかにあったにちがいありません。

   もっともそのおかげで私も沛公も命拾いしました。